弁護士が解説!重要事項説明義務違反が起きた際の対応方法と注意点

不動産取引の現場では、「重要事項説明」をめぐるトラブルが後を絶ちません。契約前のほんの一言、あるいは書類の一行が、後々数百万円、数千万円の損害賠償請求へとつながることもあります。

「うちは宅建士がきちんと説明しているから大丈夫」——そう思っていても、重要事項説明義務違反(重説違反)は、うっかりミスや認識のズレからどうしても一定数発生してしまいます。

この記事では、不動産業に特化した顧問弁護士として数多くの紛争解決にあたってきた私が、重要事項説明義務違反が起きたときの対応方法、陥りやすい落とし穴、そして弁護士に相談するメリットについて、初めての方にもわかりやすく解説します。

【30秒でセルフチェック】あなたの会社は何個当てはまる?

まずは、下のチェック項目に目を通してみてください。1つでも当てはまるものがあれば、重要事項説明義務違反のリスクを抱えている可能性があります。

  • 物件の瑕疵(かし/欠陥のこと)について、口頭で済ませた説明がある
  • 重要事項説明書のひな形を、ここ数年見直していない
  • 境界未確定の土地を、曖昧なまま契約に進めたことがある
  • 既存不適格建築物(※現行の建築基準法に合わない建物)について、買主への説明が不十分だった気がする
  • 都市計画法・用途地域の変更情報を、チェックしないまま説明したことがある
  • 契約後にクレームが入ったが、「大きな問題にならなかったから」と放置している
  • 顧問弁護士がいない、または現在の顧問弁護士に不満がある

3つ以上当てはまった方は、この先の内容をぜひ最後まで読み進めてください。

重要事項説明義務違反でよくあるトラブル類型

宅地建物取引業法(以下「宅建業法」)第35条では、不動産の売買や賃貸借にあたって、宅建士が買主・借主に対して一定の事項を書面で説明することが義務づけられています。これに違反すると、民事上の損害賠償責任だけでなく、業務停止や免許取消しといった行政処分につながることもあります。

現場でよく見かけるトラブルを、3つの類型に分けてご紹介します。

① 重要事項の隠蔽(いんぺい)

「売れなくなるのが怖くて、買主にとって不利な情報をあえて伝えなかった」——これは最も悪質で、裁判になれば敗訴の可能性が極めて高いパターンです。

【具体例】

築30超年のマンションで、前所有者から過去に上階からの漏水事故があったと告げられていたにも関わらず、自身が売主となった際には「「漏水等の被害:無」などと記載した。買主が事実を知り、損害賠償請求に発展——こうしたケースはしばしば生じています。

② 説明内容と実際の相違

悪意がなくても、調査が甘かったり思い込みで話したりすると、「聞いていた話と違う!」とクレームになります。

【具体例】

「この土地は再建築可能です」と説明して契約したが、実は接道要件(※建物を建てるために道路に2m以上接している必要があるというルール)を満たしておらず、再建築不可だった。これは、空き地・空き家の開発案件でも非常によく起きるトラブルです。

③ 書類の記載漏れ・ミス

重要事項説明書そのものの不備です。

【具体例】

用途地域が「第一種低層住居専用地域」から「第一種中高層住居専用地域」に変更されていたのに、変更前の用途地域を記してしまった。買主が店舗を開こうとして、そこで初めて制限内容の違いに気づき、契約解除・損害賠償に発展。

重要事項説明義務違反が起きた際の対応

では、実際にクレームが入ってしまったらどう動けばいいのでしょうか。ここでは、初動でやってはいけないこと/こうすれば進むことを対比でお伝えします。

① 速やかな傾聴と「お詫び」

❌ やってはいけない:「そんなつもりじゃなかった」「契約書にサインしたでしょう」と反論する。

✅ こうすれば進む:まずは相手の話を最後まで聞く。法的な責任を認める・認めないは別にして、「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」と気持ちへのお詫びは早い段階で伝える。即答できない場合は、速やかに調査して回答する旨を伝える。

初動の対応次第で、相手が「話し合いで解決しよう」と思うか「もう弁護士に頼もう」と思うかが分かれます。これは本当に大きな分岐点です。

② 事実関係の具体的・正確なヒアリング

❌ やってはいけない:担当者の記憶だけに頼る。メール・LINE・議事録を確認せずに回答する。

✅ こうすれば進む:「いつ・どこで・誰が・何を・どう説明したのか」を、客観的証拠と突き合わせて時系列で整理する。

【このタイミングで揃えておきたい書類】

  • 重要事項説明書(署名・押印済みのもの)
  • 売買契約書または賃貸借契約書
  • 物件資料(登記簿謄本・公図・地積測量図・建築確認書類など)
  • 担当者と顧客のやり取りの記録(メール・チャット・録音など)
  • 現地写真・図面・パンフレット
  • 過去の管理組合議事録(マンションの場合)

③ 法的な責任の有無・程度の確認

❌ やってはいけない:ネット情報や過去の経験だけで「この程度なら払わなくて大丈夫」と自己判断する。

✅ こうすれば進む:宅建業法第35条、民法上の説明義務違反・不法行為責任、消費者契約法などを総合的に検討する。ここは弁護士の出番です。

④ 相手の希望の把握と対応策の提示

❌ やってはいけない:相手の要求を聞かずに「うちとしてはこれで」と先に結論を押しつける。

✅ こうすれば進む:相手が「契約解除」を望んでいるのか、「減額」なのか、「賠償金」なのか、あるいは「謝罪と説明」なのかを丁寧に聞き出す。選択肢を並べて提示することで、合意点が見つかりやすくなります。

弁護士に相談するタイミング

「これくらいなら自社対応で大丈夫」と「すぐ弁護士に相談すべき」の境界線を明確にしておきましょう。

自社で対応を検討できる範囲

すぐに弁護士へ相談すべき段階

・ミスが明らかで、誠意をもって訂正すれば済む

・典型的かつ重大でないミス

・双方に認識のズレがあるが、話し合いで合意できそうなケース

・書面(内容証明郵便)が届いた

・「弁護士に依頼した」と告げられた 

・契約解除

・損害賠償を明確に要求された

・行政(都道府県庁・宅建指導課)から照会が来た 

・SNSで炎上

 

弁護士からの内容証明郵便が届いた時点で、すでに相手は「裁判」を視野に入れています。ここから先の対応は、プロに任せた方が結果的に安く、早く、静かに終わります。

重要事項説明義務違反で弁護士に相談するメリット

① トラブルが起きる前に防げる

最大のメリットは、実はトラブルが起きた後の対応ではなく、「起こさないための仕組みづくり」です。

顧問弁護士がつくと、重要事項説明書に記載すべきか迷った場合に相談できます。また、顧客とトラブルに発展しないまでも問題を生じそうな場合に早期の相談が可能です。

② 要求の「妥当性」を冷静に判断できる

相手方の要求が法的に見て妥当かどうかを判断するのは、プロでも悩む場面があります。

たとえば「5,000万円の物件で説明義務違反があったから、1,000万円を返してほしい」と言われても、過去の裁判例や損害の実態からすれば200万円程度が相場というケースもあります。相場観のないまま交渉に入ると、払わなくていいお金まで払ってしまうことになりかねません。

③ 行政処分・レピュテーション(評判)リスクへの対策

民事の損害賠償だけでなく、宅建業者にとって本当に怖いのは行政処分です。業務停止処分を受ければ、その期間の売上はゼロ。免許取消しともなれば、事業そのものが成り立ちません。

さらに近年は、ネット上の口コミやSNSで「あの不動産屋で買ったら大変なことになった」と書かれてしまうレピュテーションリスクも無視できません。

弁護士は削除請求などを通じて、こうしたリスクにも対応できます。

【顧問弁護士がいる場合といない場合の比較】

項目

顧問弁護士なし

顧問弁護士あり

契約前チェック

自社判断に依存

法務視点で事前確認

クレーム対応

うまく対応できない場合に深刻化するリスクあり

即相談・方針決定が早い

代理人対応も可

行政対応

自社対応

書面作成から同席まで対応

コスト

都度スポットで高額

月額固定で予算化しやすい。顧問外業務は割引あり

 

蒼生法律事務所が選ばれる理由

① 不動産・相続の解決実績700件以上

当事務所は、不動産取引と相続分野を軸に、700件以上の紛争解決に携わってきました。売買・賃貸・開発・境界紛争・空き家問題まで、不動産に関する問題はひととおり経験しています。

「机上の法律論」ではなく、「現場で使える法律論」をお伝えできるのが強みです。

② チャットツールを活用したスピード対応

顧問先とはチャットツールでつながっており、「契約直前のこの一文、大丈夫ですか?」といったご相談に、その日のうちにお返事するよう努めています。

不動産取引のスピード感に合わせて動ける弁護士でないと、現場では使えません。

③ 初回相談は無料

「相談したら費用が発生するのでは」という不安をお持ちの方も多いと思いますが、当事務所では不動産業者からの初回相談を無料でお受けしています。「顧問契約を結ぶかどうか」は、お話ししてから決めていただければ結構です。

お気軽に弁護士にご相談ください

重要事項説明義務違反は、初動の対応ひとつで「小さなクレーム」にも「大きな裁判」にもなる、繊細で難しい問題です。

蒼生法律事務所では、初回無料相談にて「紛争解決の手詰まりポイント」を診断いたします。

現在のトラブルが「自社対応で済む話」なのか「すぐに弁護士を入れるべき話」なのか、その線引きだけでもお伝えできれば、今後の動き方が大きく変わるはずです。

不動産業における重要事項説明の見直し、顧問弁護士へのご相談、空き地・空き家開発の法務支援など、どんな内容でもお気軽にお問い合わせください。

蒼生法律事務所

初回無料相談 受付中

お電話:06-6809-3033

メール:souseilaw33799@gmail.com

https://sousei-law.jp/

 

代表パートナー・所長 
高橋 英伸
京都大学法学部卒業後、旧司法試験合格を経て2006年に弁護士登録。大阪市内の企業法務系事務所で15年のキャリアを積み、2021年に蒼生法律事務所を開設。相続・共有・所有者不明土地など空き地・空き家問題に注力。宅地建物取引士・相続アドバイザーの資格も保有し、不動産に関わる法的問題を総合的にサポートしています。
関連記事

関連記事一覧

ご予約はこちらから

06-6809-3033
9:00〜18:00

メールでのお問い合わせ